●現在勤務している小学校では毎年5学年でCAPワークショップを実施しています。今年卒業させた子どもたちは、4月から次々と変質者に遭遇しました。一人は、学校の帰りに後ろから迫ってきた男に抱きつかれ胸をつかまれましたが振り切って助けを求め、難を逃れています。また一人は登校途中に腕をつかまれ小路に連れて行かれるところでした。持っていた傘でたたいたのですが逃れられず、特別な叫び声でようやく友達が気づいて救われています。もしワークショップを受けていなかったら中学校生活をスタートしたばかりの彼女たちはどうなっていたことでしょうか。どちらかといえばCAPの効果に疑問をもっていたのですが認識を改めました。今はとても感謝しています。

                           小学校教諭 W 49歳(女性)




●6年生として担任した子どもの中に友達を脅したり暴力行為で傷を負わせたりすることを繰り返す子がいた。どんなに指導しても改まらず、休憩時間もずっと目を離すことができない状態だった。CAPワークショップのいじめロールプレイのときにその子が目を見開いて壁際に凍りついたようになっているのを見た。おそらく彼はそのとき自分の行為が暴力だということにはじめて気づいたのだと思う。しかも、友達が全員そのことを知ったことも。その日以降、彼の暴力が表に出ることはなくなった。あまりに劇的な変化だったので忘れることができない。ワークショップの効果だったと思う。

                       小学校教諭 M  38歳(男性)



 

●体罰で処分を受けて転勤してきた教員を抱えて、児童に被害が出ないように気遣う毎日でした。厳しく指導しても本質は変わらず、ともすると体罰の一歩手前に行く状況であったため子どもたちにワークショップを受けさせ、少しでも防御できるようにと願って実施を主張して実現にこぎつけました。(理由は「いじめ防止のため」としましたが)子どもたちが「暴力だ」と声をあげるようになったことで大きな抑止力になったと思っています。

                       小学校教頭 F  50歳(男性)



!! NEW !!

●佐世保の事件後、学校では道徳、朝の学級朝会、学活など色々な場面を使って、「命の大切さ」「人権の尊重」について学習していました。その矢先、この日(CAPワークショップ当日)の朝のニュースでI小学校の事件が詳しく報道されました。当日朝、再び「命の大切さ」について子ども達に話し、迎えたCAPでした。
子ども達の表情は、事件直後ということもあって、一様に硬かったように思います。子ども達の心の動揺も考えると、この日のCAPはどうかな?生々しすぎるかな?とも思いました。こうして少し不安を感じたままのCAPワークショップの開始でした。
私は、子ども達の表情がよく見えるように後列中央寄りに立膝でちょうど子ども達の目線に合うようにして観察していました。
最初の人権の説明、特にチクりと相談の違い(の説明)のあたりで子ども達の表情が動きました。「何が良くて何が悪いのか」という判断の基準を感じ取ったようです。他人の人権を侵す、自分の人権を守る ということはどういうことかを感じていました。
続いて暴力の劇。コンビニでお金を脅し取られる場面です。ここでは、解決編の劇を見て、自分の人権を侵されたとき、相手の人権を侵すことなく解決するにはどうしたらよいのか、その方法を学びました。
子ども達の顔には、「あぁ こういうふうにすればいいのかぁ。」といった安心した表情がうかびました。
さらに、解決編の劇に参加し、その次の誘拐の劇、性被害の劇と進むにつれ、自分の人権が侵されそうになったとき、自分にできることは何かに気づいていきました。表情は明るくなり、劇への参加も自発的、積極的になっていきました。「次、出る?」「うん、いっしょにやろう!」と目で合図して飛び出していきます。ついに最後にはクラス31名全員が劇に参加していました。
後ろから見ていると、子ども達がどんどん自信を深めて動いているのが良くわかりました。前を向いて話を聞いたり、劇を見たりするだけでなく、となりやそのとなり、横や後ろにいる友達同士でサインや言葉が交わされるのです。
この2時間で子ども達は、人権の話を聞いて安心し、劇や実践を通して自分にできることを学び、自信を深め、あの悲しい出来事から心が解き放たれて自由を取り戻したのだと思います。
「安心・自信・自由」これは、その後のクラスの合言葉のようになりました。

                       小学校教諭 S (男性)